PR

阪急電鉄の中吊りで炎上した広告会社パラドックスとは?

阪急電鉄の中吊り広告に批判の声があがり、あっと言う間に広告を撤去する事態となった「阪急電鉄の「はたらく言葉たち」企画。2019年6月1日にスタートして大炎上して、わずか10日で中止になったこの広告。働く人々にエールを送る目的で制作された広告だったそうですが、どんな会社が企画制作したのでしょうか。

スポンサーリンク

東京・北青山のパラドックスが企画制作した?

企業ブランディングを手掛ける「パラドックス」と「阪急電鉄」のコラボ企画と言うことでした。

『平成の時代に紡がれた働く人々の熱い言葉たちを、新しいワークスタイル(仕事=志事)を再発見するきっかけとして令和の新時代に提供いたします』という企画意図だったようです。企画コンセプトもいいと思いますが、この会社はどんな会社なのでしょうか。

株式会社パラドックスについて

東京・北青山にあるコンサルティング/コンテンツクリエイティブ/ブランディングを手掛ける会社。東京のほかに名古屋・大阪・福岡・沖縄に事業所あり。

働きがいのある会社ランキング2019ランクイン
 ↑すごいですね、4年連続ですよ。
■年功序列は一切なし。
 成果に対して給与・昇級など公平に評価
■東京コピーライターズクラブTCC会員5名在籍
 ↑これもすごいことです。

Vision「志あふれる、日本をつくる」
すべての人や企業には、
自分にしかできない世の中への役立ち方が必ずあると信じています
それを私たちは「志」と呼んでいます
私たちの仕事を通じて、
志の輪を広げ、日本をもっと元気にしたい。
それが私たちの目指す未来です。
Mission「志の実現に貢献する」
Value「本質的なアイディアで期待を超え続ける、志実現のパートナー」
  • 設立:2001年8月
  • 資本金:1000万円
  • 売上高:12億0000万円(2018年3月期)
  • 従業員数:44名(アルバイト除く) ※2018年3月現在
  • 代表者:鈴木猛之
  • 主な取引先:株式会社Plan・Do・See/三菱商事株式会社/三井不動産株式会社/プルデンシャル生命保険株式会社/タイガー魔法瓶株式会社/伊藤忠商事株式会社/川崎重工業株式会社/株式会社パーソルキャリア/楽天株式会社/株式会社ワン・ダイニング/株式会社リクルートライフスタイル/石坂産業株式会社/株式会社大戸屋ホールディングス/株式会社DEAN&DELUCA/株式会社湘南ベルマーレ(敬称略・順不同)
    〜出典・参考:リクナビより

エン転職を運営するエン・ジャパン株式会社が運営する「カイシャの評判サイトの口コミを見ると、評判のバランスは比較的良く、口コミの「良い点」も「気になる点」も約半々。たいていの会社は善し悪しが混在するので普通であるし、けっして悪い会社ではない印象です。

抜粋引用すると・・・

【良い点】

クライアントと直接やり取りできるため、仕事の意義・やりがいを見いだしやすい。課題をヒアリングし、企画・コンセプトをつくり、施策を組み立て、アウトプットをディレクションする、という一連の仕事に主体的に携われるため、「自分がやった仕事」という実感も得やすい。案件の社内表彰なども毎月実施されている。
30代 / 男性 / 現社員(正社員) / クリエイティブ系

【気になる点】

クオリティにこだわるという名目でかなり夜遅くまで残業し、昼間は居眠りをしている社員もいる。残業代込みの給与だが、そもそも一般企業の基本給くらいしかない。
給与は裁量労働制だが、出社時間は決まっている。
20代 / 女性 / 元社員(正社員) / クリエイティブ系

若手にもほぼ丸投げで仕事が振られるので、大変に苦労するが、それを達成できたときのやりがいは大きいと思う。
直接クライアントと会うので、感想が直に聞ける点は良いと思う。
20代 / 女性 / 元社員(正社員) / クリエイティブ系 

スポンサーリンク

炎上してしまった「はたらく言葉たち」って何?

「はたらく言葉たち」というのは、株式会社パラドックスが、長年携わってきた企業向けブランディング事業で数多くの企業取材から集めた「働く人々の言葉」をまとめたものだそうです。働くことを通して、自らの志を磨き、自己実現をしている人々の言葉だということ。

今回は阪急電鉄とのコラボレーションで「令和という時代を迎え、明治時代から100年以上『はたらく人たち』を乗せてきた阪急電鉄さんと共に、通勤中に活力とな、仕事に誇りを持てるようなプロジェクトとして企画」と語っているようです。

この企画意図は納得できますが、なぜか「ブラック企業の精神論」ではないかと批判が殺到したらしいです。

毎月50万円もらって毎日
生き甲斐のない生活を送るか、
30万円だけど仕事に
行くのが楽しみで
仕方がないという生活と、
どっちがいいか。
研究機関 研究者/80代

ネット上で批判的な声が上がったそうです。そんな時代なんですね。

その理由としては・・・

  • 労働者目線ではない
  • メッセージ内容が古い
  • 今の価値観とズレている

などが挙げられていました。そもそも企画の根底が「自己実現をしている人々の言葉」だから、上から目線だし、年金のことなどでイライラしている多くの人が嫌悪感を抱くのかも知れませんね。

特に、これが専門書や雑誌でのメッセージなら良かったものの、電車という公共機関で頭上から物申す媒体が不適切だったとも考えられます。

まとめ

今回ニュースになった、阪急電鉄の中吊り広告「はたらく言葉」。確かに私には、読んで共感したり納得できる内容ではなかったし、嫌悪感を覚えるものもあるので、公共の場でのメッセージ発信にはもう少し読み手の気持ちや掲載場所の配慮など欲しかったと思います。

パラドックスという会社は素晴らしい会社のようですので、この炎上にめげずに新たな企画で人々の心を動かしていただける様に期待いたします。

ただ社会の在り方として、批判が殺到して企画や掲載を中止する状況に追い込まれる状況には若干違和感を感じます。多様性の時代の広告表現は、どこまで気遣いしなくてはならないのでしょうか。

テキストのコピーはできません。